主にむし歯や歯周病、歯の根の治療を行います。
長く良い状態を続かせることを念頭にお口の中全体のバランスを考え、最善の治療計画をご提案いたします。
その後、患者様のご希望を伺い治療方針を決定します。
痛みが苦手な方でもできるだけ苦痛を緩和できるよう、麻酔時は表面麻酔を施し、針の細い電動麻酔器を使用しています。
むし歯治療
むし歯は歯を失う大きな要因です
むし歯は歯周病と並んで、歯を失う原因の大きなひとつです。
お口の中には、約400種類の細菌が存在しているといわれています。
その中のミュータンス菌を代表するいくつかの細菌は、砂糖などの糖質から糊のようにべたつくものを作りだします。これが歯面に付着することで細菌が繁殖しプラーク(歯垢)になります。
このプラークの中で、砂糖や炭水化物が発酵して作られた酸や、食品自体に含まれる酸によって普段はほぼ中性なお口の中の酸性度が一定の値(臨界PH)を超えて酸性側に傾くと、歯のリンやカルシウムといったミネラルが溶け出してしまいます。
この現象を「脱灰」と呼びます。
脱灰の時間が長いほどむし歯リスクは高まります
脱灰から40分~1時間程度経つと唾液の力(緩衝能)により、再び臨界PHより中性に近づきます。そうすると、失ったこれらのミネラルが唾液中のミネラルから再び歯に取り込まれていきます。
これを「再石灰化」と呼びます。
日々お口の中では、脱灰と再石灰化が繰り返されています。
この両者のバランスで脱灰の時間が長ければ長いほどむし歯が発生するリスクが高まります。
むし歯の進行
むし歯によって溶けた歯は元に戻りません。COの状態であれば、「再石灰化」によって健康な歯に戻ることが期待できます。定期的に検診を行い、むし歯予防に努めましょう。
むし歯のセルフチェック
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- 飲食の回数が多い、だらだら食べている
- 甘いもの・炭酸・酸っぱいものが好き
- 飲食してから1時間以内に寝ることが多い
- 就寝前に歯を磨かない、磨いても5分以内で終わらせてしまう
- 歯磨きの回数が1日2回未満、またフロスを使わない
- 歯並び、噛み合わせが悪い
- 詰め物やかぶせものが多い
- ご高齢である
歯周病治療
現在、歯を失う原因の1位は歯周病です。
歯のまわりの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨(歯そう骨)などが破壊される病気で、以前は「歯槽膿漏」と呼ばれていました。
歯周病は病状がかなり進むまで自覚症状がほとんどなく、気付いたときには進行していて、まず奥歯から失っていきます。
現在の日本では、成人の約80パーセントの方が歯周病にかかっていると言われています。
歯周病のセルフチェック
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- 朝起きた時に口の中がネバネバする
- ブラッシング時に出血する
- 口臭が気になる、口が臭いと言われた
- 歯肉がむずがゆい、痛いときがある
- たまに腫れるがしばらくすると治る
- 硬いものが噛みにくい
- 最近、歯が長くなった気がする
- 歯と歯の間に隙間ができて、物がつまりやすい
上記にひとつでも当てはまるようなら、歯周病の可能性があります。
むし歯のような痛みがないので、長い間放置されることが多く、気づいたときはかなり進行していることがありますので、定期的なチェックをお勧めします。
歯周病の進行
健康な歯ぐきは、淡いピンク色をしています。ところが、歯周病が進行するにつれて歯ぐきの色や状態に変化が表れます。 このように症状が進行しないよう、定期的な健診やクリーニングを受けていただくことが大切です。
当院の治療
ブリッジや義歯を入れると支台歯に負担がかかり過ぎたりむし歯になったりして支台歯も失います。奥歯を失うと噛み合わせが低くなってきて下前歯が上前歯を突き上げて歯の隙間が大きくなって出っ歯になってきます。
このように歯並びが崩壊した場合、単純に歯石を取ったりするだけでは、見た目だけでなく歯の喪失を抑えることも困難です。
当院では、歯周病だけでなく審美的で安定した噛み合わせにも配慮して治療方針を立案しています。
エムドゲイン、GBR等の歯周組織再生治療にも力を入れています。
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エムドゲイン法
歯周病によって失ってしまったあごの骨を再生させる方法の一つです。まず歯肉を切開し、歯根にこびりついた歯石を除去します。その後、骨の再生を促す「エムドゲインゲル」と呼ばれる薬剤を注入し、骨の再生を待ちます。エムドゲインゲルの成分はたんぱく質ですので身体に影響がなく体内に吸収されます。歯周組織の再生後に除去する必要もありません。
- 1.麻酔をしたあと、治療をする部分の歯肉を切開し、歯石などの除去を行います(歯周外科治療)。
- 2.除去してできた空間に、エムドゲインゲルを塗布します。
- 3.傷口を縫合します。エムドゲインゲルが歯周組織の再生を促し、歯肉が正しい状態に再生され、健康な状態に近い歯肉に戻ります。
※歯周外科治療や歯周再生治療でも歯周病が改善せず、歯を失ってしまった場合にはインプラント(人工歯根を植える)治療などを行い失った歯を補う方法があります。
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GBR法(骨誘導再生治療)
骨量が足りない部分をご自身の骨や人工骨を混ぜた補填剤で補い、骨の再生を誘導する方法です。多くの場合、補助的に使用するテクニックでインプラントの埋入と同時に行います。
- 1.骨量が少ない部分に人工膜を使い、骨や骨補填剤を入れます。
- 2.3~4ヶ月で骨が出来上がります。
治療終了後は、良い状態を保つため、治療の効果を見るために定期的にメンテナンスをお勧めしています。
歯根治療
当院では歯の根などの細かい部分の治療はお口の中に十分光が届かないため、見えないものが多く手指の勘」というものに頼る場合があります。
しかし、そのような治療では、経験豊富なドクターでも感染源を取り残してしまうことがあります。
当院では、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)や、LED照明付の高倍率ルーペを用い、しっかりと目で確認しながら治療を進めていきます。
確実に見ながら処置することで、ピンポイントで患部を取り去ることができるため、不必要な部分を削らずにすみますので、ご自身の歯をできるだけ残すことが可能です。
歯根破折を防ぐファイバーコア
歯根破折は歯の根が割れることですが、めずらしいことではありません。そしてこのような場合はたいてい抜歯することになり、差し歯を入れる治療を行う場合があります。
当院では保険のメタルコア(差し歯の土台部分)より歯根破折を起こしにくいファイバーコアをお勧めしています。
ファイバーコアは歯根破折に強いだけではなく、歯に似たしなやかさがあるため根を壊しにくく、歯質の大部分を失った歯にやさしい土台です。
メタルコアと違って金属を使っていないファイバーコアは、光を通すのでジルコニアやオールセラッミックスクラウン等で被せた場合、歯の根元の歯ぐきが暗い色にならずに、被せたのが分からないくらい綺麗かつ自然に仕上がります。
脱灰を減らす習慣を心がけることや、食生活の改善、適切なブラッシング、適合の良い修復物により、むし歯のリスクは下げることができます。